自給自足、循環型の暮らしを目指す音楽家であり、農夫でもあり猟師でもある小濱達郎のブログ

京都府南丹市八木町にて循環型の暮らしを目指す、農夫であり猟師でもあるシンガーソングライターのブログ

狩猟にかかる経費のこと

昨年の11月から、わな猟を始めましたが、

実際にわな猟をするにあたって、

どのくらいお金がかかったかを記録しておきます。

 

まず、免許が必要です。

 

わな猟の 免許取得にかかる費用

 

証明写真 800円 高めでした

診断書 5000円 精神科のある病院で診断書をだしてもらう

事前講習会 12000円 プラス 現金書留代 543円

免許交付手数料 5200円

 

以上 23543円  プラス 試験会場や講習会場への交通費など

 

ちなみに、試験は簡単です。

事前の講習会を受ければの話ですが・・・

その講習会で、テストに出るところを教えてもらえます。

それをきちんと復讐して記憶しておけば、まず大丈夫です。

 

免許を取得したからといって

猟ができるわけではなく、

狩猟したい場所の都道府県に登録を

しなければなりません。

 

その際にも費用がかかります。

 

わな猟の登録料金は、

1万円 でした。 (京都府の場合。)

 

しかし、登録するには、ハンター保険というものに

加入していることが必須条件でして、

猟友会に入れば、そこはクリアできるわけですが、

僕は入らなかったので、免許をとった年は、

登録できませんでした。

 

僕の住んでいる地域では、

猟友会の入会金が 6万円と なかなかの高額です。

(入ってしまえば、その後の維持費などが安くて

済むらしいので、入会金の分は、数年で実質返ってくるらしいですが)

 

僕は、その金額を聞いて、入るのをやめてしまいました。

 

ところが、運よく、

僕の住んでいる地域に狩猟にきている大阪のおっちゃんと

知り合いになって、その人のツテで、

個人的にハンター保険にいれてもらえることに

なりました。

その人と、その人のグループの大将には、

めちゃくちゃお世話になりました。

 

ハンター保険の代金

1700円

 

ということで、

登録には

11700円 かかりました。

 

さて、これでいよいよ

わなを仕掛けることができるわけですが、

肝心のわなをどうするかが、

でてきます。

 

わな猟の道具を扱っているお店で

完成品を買うと、1つのわなで安くても

4、5千円はすると思います。

 

実は、以前に高槻の友達と

わなフェスティバルというのにいって、

そこでわなを自作したものがありました。

その友人のものももらっていたので、

2つはありました。

この時の参加費が製作費込みで3500円ほどだったかな。

 

そして、奇跡的にありがたいことに、

今回ハンター保険でお世話になった大将から、

わなのサンプルだといって、

その方の知り合いの自作の罠を

部品なども含めて、数個いただくことができました。

 

本当にありがたいです。

 

集落の元猟師の先輩からも、

既製品の新品のわなをいくつかいただきました。

 

ただ、

なんやかんやで、

わなを修正したり、補修したり、

さらに増産するためにも、部品や工具が必要ということで、

ワイヤーであったり、それを加締めるスエージャーという工具。

くくり金具、シャックル、などなどいろいろと買い揃えて

約 23000円 かかりました。

 

安全のために、

切削に強い繊維のはいっている

スパイク長靴も買いました。

約20000円 高いー! でも安全のためには仕方ない。

 

さらには、

いざ、鹿やイノシシをわなでとらえたとして、

お肉としていただくためには、いろいろと道具が必要です。

 

 止め刺し、つまりは、息の根を止めるわけですが、

そのために剣鉈という刃物を購入しました。

18000円  上等の刃物は、それなりの値段がします。

 

 そして、解体用の骨すき包丁 とガットナイフ と購入。

合わせて4000円ほど。 安物を買いました。

 

 止め刺しの前に、動く獲物を不動化させる道具として、

電気ショックを自作しました。

バッテリー4000円とインバーター3280円で、7280円 

実は、最初に買ったもう少し高かったバッテリーは、

電圧があわずお蔵入りでした・・・

もう一つヤフオクで買ったインバーターは、

慌ててプラスとマイナスを間違えて接続しお陀仏・・・バカっ!

バッテリーとインバーター

接続のケーブルが、700円。

針の部分は、あれこれ買ったりしたものの、

結局はジビエハンターの方に現物を見せてもらい、

教えてもらった針を購入。 

予備の分も合わせて3セット 購入して 929円

 

途中の線は、実家にあった、

廃材の電源ケーブルを利用。

針との固定部分は、ホームセンターで

ホースなどを固定するための金属の輪っか

一つ100円ほど を 2つで200円。 サイズ間違えて 無駄に出費したが・・・

20ミリの塩ビパイプ 2メートルを2本。 400円ほど。もっと安かったかな・・・

 

 

合計して、9509円  いろいろと間違えて購入したものがなければ、

1万円以下で作れるのか・・・

 

解体するにあたって、必要と思われるものを

購入しました。

 

食品用の消毒アルコール 861円

大きいまな板 1700円

懸吊道具 4104円

使い捨て手袋 800円

ゴム手袋 500円

ペットシーツ2袋 2300円

防水エプロン 1600円

 

合計 11865円

 

真空パックの機械と 専用の袋 18000円 

 

 

書籍

1620円 1073円 2700円 の3冊

合わせて 約 5400円

 

 

まとめると、

免許取得 23543円

登録 11700円

書籍 5400円

電気ショック 9509円

刃物 22000円

長靴 20000円

わな部品・工具 23000円

わなフェスティバル 3500円

消耗品など 11865円

真空パックの機械 18000円

 

合計するのがとても怖いです・・・

 

160382円 

 

十六万円くらいかかっていたのか!

 

高いー!!!

 

これでも、だいぶんケチったはずなのに!

 

大阪の先輩猟師さんとの出会いのおかげで、

オレンジのチョッキと帽子もいただけたし、

わなをいれるかばんもいただいたり、

大将からは、わなのサンプルとして、

最高のわなもいただけたし、

電話でしかお話したことはないものの、

狩猟のことを色々と教えていただきました。

 

ハンター保険にも入れてもらえたし。

 

ただ、2年目以降は、

登録料と保険代の 11700円 と

消耗品 だけでいけるはずです。

 

狩猟は、実際に真剣に取り組んだ人にしか、

わかりえない部分があるとは思いました。

 

その体験は、貴重です。

 

普段、何気なく当たり前に

スーパーでお肉を買って食べていましたが、

実際、どういうことなのかが、

身をもって体験できます。

 

そして、狩猟は何よりも、

命がけです。

 

自分の生命を危険にさらすことって、

まあ、普段ないですよね。

 

それを自ら進んでやることになるわけです。

 

自分が食べるために。

ほかの動物の命を奪っているという事実。

 

野菜や穀物などの植物の場合、

命をいただくことにかわりないものの、

危険ではないし、単純に喜びの方が大きいです。

植物がかわいそうとは、その発想には至らないです。

 

そして、動物を仕留めてから、

食べるところまで行きつくのに、

なんと手間暇のかかること。

 

それは、一部、穀物なども同じことが言えますが、

肉も大変です。

 

こうした過程を

すべて味わうことができるのが、

猟師という仕事だと思います。

 

最後に、

狩猟でシカやイノシシをとらえることで、

お金が入ってくることがあるのか

ということですが、

 

何もしなかったら 当然どこからもお金は入ってきません。

出る一方です。

 

有害鳥獣捕獲 という事業が 全国的に行われています。

 

鹿やイノシシは、まさに対象となります。

 

しかしながら、

すべての猟師がその対象にはなりません。

 

現時点では、

まず猟友会にはいって、たぶん数年実績を作って、

有害鳥獣捕獲の隊員になる必要があるらしいです。

 

その隊員になれば、1年を通して駆除の名のもとに

捕獲できるそうです。

 

そして、一頭につき幾らというお金がもらえるそうです。

 

ただ、僕の住んでいる地域では、個人には

1頭につき数千円?しかないそうです。詳しい金額は知りません。

 

あとは、猟期に

鹿をとくにメス鹿をたくさん捕獲した場合、

4頭目からは、雌鹿5000円 オス鹿 3000円 が

もらえます。 最大で20頭まで85000円もらえるそうです。

証拠写真と、しっぽも必要です。

僕は、写真を撮り忘れました・・・

 

それ以外では、

食肉処理施設に、持ち込んで、

買ってもらうということもあります。

脂ののったイノシシに限られると思われますが、

一頭あたり、7~10万円くらい(大きさによる)

にはなるのかなと思われます。 これも、実際のところは

わかりません。聞いた話です。

 

自らが、

処理施設を立ち上げて、

加工、販売までするとなると、

それはそれで設備投資が必要ですが、

鹿肉も、販売していくことはできます。

 

短期的な視野では、

単純なお金の計算では、

プラスにはなりにくいですが、

長期的に、お金の面でも、

ゆとりが生まれるようにしていけたらとは思います。