自給自足、循環型の暮らしを目指す音楽家であり、農夫でもあり猟師でもある小濱達郎のブログ

京都府南丹市八木町にて循環型の暮らしを目指す、農夫であり猟師でもあるシンガーソングライターのブログ

有害獣を減らすため? 猟師の役割とは

 近年、

イノシシやシカ、アライグマ、ヌートリア、サルなど、

様々な動物による農作物の被害が深刻だ。

 

 僕自身も、

以前、手植えした田んぼのお米をイノシシに

全滅させられたり、畑のサツマイモや里芋などを

荒らされたり、獣害の経験者である。

 

 被害にあった時の心境はといえば、

まず、動物の圧倒的な力の前に、

思わずすごいな・・・と感心してしまうのと、

せっかく頑張って苗を植えたり、いろいろと

お世話してきたのをめちゃくちゃにされた怒りと、

悔しさなどがこみ上げてきた。

 

 近所のおじいちゃん、おばあちゃんが言うには、

昔は、こんなイノシシやシカに荒らされることはなかった

そうだ。

 

 動物が、人間の暮らしている領域まで

普通に入ってきているということ。

 

 その理由は、いろいろとあるだろうけど、

山の環境、付近で暮らす人間の暮らしの環境が

変わったということが

結局のところ原因だと思われる。

 

 エサがなくなれば、動物も必死にいきるために、

エサのあるところへ繰り出してくる。

そうやって、田畑でエサを得ることを覚えてしまった

動物を、もう一度山へ帰ってもらうのは、

簡単なことではないだろう。

 

 猟師の数が減ってしまっている、ということも、

動物が増え続けていることに関係はあるだろう。

 

 今みたいに、移動手段が発達するまでは、

山間の集落で、お肉を食べるといえば、

買っている鶏のお肉や、山で獲ってきた

野生の動物の肉だっただろう。

 

 食べるために、動物を獲っていたということ。

 

 獲りすぎたら、将来食べることが出来なくなるし、

そのあたりは、大切にしていたんじゃないかと思われる。

 

 現代では、ジビエを食べるということが

ほとんどなくなったし、

獣にとって、生き延びることができる環境が

増えていったこともあり、

その個体数はかなり増えているそうだ。

 

 1978年から2014年の間で、

鹿は生息分布を2.5倍に、

イノシシは1.7倍に拡大しているという

統計があるそうです。

 

 農作物の被害だけでなく、

鹿は木の葉や樹皮などを食べてしまうので、

森林がダメージを受けたり、下草が

食べつくされて、山の裸地化による

土壌流出などの原因を産んでいるそうです。

また、植物が食い尽くされることで、

希少な植物が育たなくなり、そのことによる

昆虫などの減少も招いているようです。

 

 この現実を直視したうえで、

人間が動物の数をコントロールしなければならない!

という発想は、

どうも僕自身にはしっくりきません。

 

 だからといって、何もせず、

手をこまねいていればいいかとえば、

そうでもないと思います。

 

 僕は、お肉を食べる目的で

狩猟を始めたのですが、

いざ、わなにかかって獲物がとれたとして、

それを食べられる状態にするまでの

労力といったらかなりのものです。

 

 あまりたくさん獲れすぎたら、

個人レベルで対処するには限界があります。

 

 有害獣捕獲ということで

捕獲された獣は、ほとんどが

廃棄処分されているそうです。

 

 このあたりも、悩ましい問題だと思います。

 

 これから先、狩猟を続けていくにあたって、

どうしていくか、見極めていきたいと思います。